大学の創作サークルはなぜ長く持たないのか

今まで創作サークルの利点をたくさん述べてきましたが、実は創作サークルというのは長続きしないことが少なくありません。
特に大学などの学校内で組織された創作サークルは寿命が短く、数年程度で消えてしまうことが多いです。なぜでしょうか?

 

 

継承のスキルを知らない

大学の創作サークルが立ち上がるときに最も多いパターンは、既存のサークルから分裂するというものです。

 

しかもそれは入りたての1年生がやることが多いのです。どういうことかというと、サークルに入ったばかりの1年生の何人かが「こんなはずじゃなかった!」と感じる場合です。
新入生たちはいろんな期待をして部活動やサークルに入ってきます。特に創作系の部活動やサークルでは、新入生は「きっとこんなことができるんだ!」と期待していることが少なくありません。

 

ところがいざ入ってみると、規律ばかりで面倒事が多かったり、自由な組み合わせが不可能だったり、上下関係が複雑で気遣いが大変だったり…さまざまな理由で不満を持つようになり、辞めていく人が出てきます。

 

このとき、特に具体的な活動内容について不満がある場合、分裂してサークルの立ち上がりにつながることが多いです。

 

たとえば私の知っている例では、文芸部から派生した創作サークルがありました。
文芸部では小説や詩の発表が主なのですが、その中から「詩に挿絵をつけて発表したい」とか「詩に音楽をつけて発表したい」という新入生が何人か出てきました。

 

この文芸部ではそういったことは認めていません。これに反発した新入生が7人程度集まり、文芸部から分裂して創作サークルとなりました。

 

こういうことをやるのはたいてい新入生で、入ってから数か月経ってからのことが多いです。それくらいの時期に最もがっかりし、反発するのです。2年生以上はすでに部に慣れているので、こういう反乱めいたことはあまりしません。

 

さて、このようにしてできあがった創作サークルは、最初は全員が1年生なので、上下関係がありません。みんな友達のような感じで活動が進みます。
ここに問題があります。通常、伝統的な部活動やサークルというのは、上級生たちから受け継がれた習慣や恒例行事、というものがあります。そしてこれが部の存続に結構重要だったりします。

 

たとえば4月の初めに新入生を取り込むために冊子を作り、どこどこでこのように配り…というようなやり方です。
また学生会やほかの部との付き合い方や行事の務めごとなど、メインの活動以外にもたくさん覚えなければならないことがあります。

 

突然サークルを立ち上げて活動を始めると、部員がほとんどこういったことを知らないために、サークルそのものを存続させられなくなる、ということがよくあります。
たとえば4月に新入生が入学してくるものの、どうやって勧誘したらいいかわからない。自分のサークルを適切にアピールし、効率よく部員を増やす方法を知らないのです。こういうやり方は伝統的な部活動やサークルでは上級生から教えられるものです。

 

部員を増やす意思があっても教えてくれる人がおらず、試行錯誤でうまくいかなかったりします。

 

このように「組織を継続させるスキルを知らない」ということが、長続きしない理由の一つになります。

 

 

部員を増やそうとしない

特にクリエーター気質というか職人気質の人によくあることなのですが、新入生が入ってきても積極的に勧誘しない、したくもないという人が少なくありません。
新規のサークルを立ち上げたときの仲間たちで活動しているだけで十分であって、新しく人を増やす必要性を感じないというものです。

 

これは特に悪いことでもないのですが、ただ部員を増やさないと、新入生たちで結成した当時のメンバーがそのまま続き、彼らが卒業すると同時にサークルも消滅する、という経過をたどります。

 

伝統的な部活動では部を存続させるために部員の勧誘などをさせられます。これは当の本人たちが特に望んでいなくてもさせられます。それによって部そのものが長続きするようにできています。

 

部員を増やそうとしないことは別に悪いことではありません。がしかし、それでは創作サークルに入りたいと思っている新入生たちが放置されてかわいそうです。
ある程度は外に向けてアピールし、後進を育てることも考えたほうが「学校全体のため」になります。

 

部活動やサークルというのは本来、ただ自分たちが楽しむためだけにあるものではありません。
名目上は一応、「社会全体のため」というような意義があります。たとえば文芸部なら合同冊子を作って読み手たちの視野や見聞を広めるとか、軽音楽部ならライブ演奏を通じて人々に音楽の良さを知ってもらうとか、そういう目的があるのです。「ただ遊びたいだけ」というのは目的になりません。

 

サークルを必要としている新入生たちにアピールし、仲間に入れてあげましょう。それもサークル組織としての大事な務めの一つです。

 

 

サークルが学校の非公認の場合の問題

大学などの学校組織の場合の話ですが、サークルが学校の非公認サークルですと、アピールする機会が限られてしまい、部員をあまり増やせずに消滅することがあります。
非公認サークルというのは大学側が正式に認めていないサークルのことで、たとえば部費が出ない、活動場所(教室など)が与えられていないことがあります。

 

そのためたとえば音楽系サークルだと、会場を借りてライブ演奏をするとかできないかもしれません。するとアピール力が不足して新入生を増やすのに不利になります。

 

ただ公認サークルだとわずらわしい手続きなどたくさんあるので、必ずしも公認サークルのほうがよい、というわけでもありません。
それでも部員を増やすにあたっては、明らかに公認サークルのほうが有利です。

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